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自己点検と内部監査の違いとは?点検を徹底すれば監査は簡易化できますか?

公開日:2019/09/04
※本記事は、ISM Web store が作成・検証したものです。

点検と監査の解釈で上手くいっていません。

点検の手順や行動の裏取り質問をしっかり行うことで、監査が簡易になるの意見が社内にあります。

監査の目的は、マネジメントシステムの適合性にそって「遵守されている、されていない」聞き取りと思います。
一方点検は日常の予防で、2つを密接に関連づけさせることが理想であると思います。

どのように説明すればいいでしょうか。

結論から申し上げますと、「点検をしっかり行うことで監査の質(精度)は上がりますが、監査そのものを点検で代替することはできません」。

その理由と、社内説明に使える「点検と監査の定義・役割の違い」を整理して解説します。

1. 「点検」と「監査」の役割の違い

規格(JIS Q 15001)では、日常的な「運用の確認(点検)」と、客観的な「内部監査」を明確に分けて求めています。

  • 点検(日常のセルフチェック):
    • –  目的: ルール通りに動いているかの「確認」と、不備の「早期発見・即時是正」です。
    • –  主体: 業務を行っている当事者やその部門長が行います。
    • –  例: 「退室時に施錠したか」「台帳に記入漏れはないか」といった、日々のチェックリストによる確認です。
  • 監査(客観的な評価):
    • –  目的: 自社の仕組み(PMS)が規格に「適合」し、かつ「有効」に機能しているかの「判定」です。
    • –  主体: 被監査部門から独立した第三者(客観的な視点を持つ人)が行います。
    • –  例: 「なぜこの不備が点検で見逃されたのか」「このルール自体に無理はないか」といった、一歩引いた視点での検証です。

2. 「点検をしっかり行うと監査が簡易になる」の正体

社内での「監査が簡易になる」という意見は、非常に重要な真理を突いています。

もし点検が不十分だと、監査員は「基本的なルールの未遵守」を指摘することに時間を費やしてしまいます。しかし、点検が完璧であれば、監査員は以下のような「より高度で本質的な確認」に集中できます。

  • 「点検でこれだけ是正が出ているなら、教育内容を見直すべきではないか?」
  • 「現場は点検を負担に感じていないか?より効率的な手順はないか?」

つまり、点検の徹底は「監査の手間を減らす」のではなく、監査のレベルを『間違い探し』から『仕組みの改善提案』へと引き上げる」ことにつながるのです。

3. 社内への説明のポイント

「密接に関連させることが理想」という質問者様のお考えを、以下のような例え話で伝えてみてはいかがでしょうか。

「点検は『毎日の体温測定』です。熱があればすぐに休み、健康を維持します。一方、監査は『年1回の人間ドック』です。自分では気づかない病気がないか、医師が客観的に診断し、生活習慣(仕組み)そのものを改善すべきか判断します。毎日検温しているからといって、人間ドックが不要になるわけではありませんよね。」

4. 誤解されやすいポイントの訂正

以前のご回答に「点検は是正・予防、監査はシステムの見直し」という記述がありましたが、最新の解釈では以下の点に注意が必要です。

  • 点検でもシステムの不備は見つかりますが、 それを「組織全体の課題」として吸い上げ、改善を命令する権限を持つプロセスが「内部監査」およびその後の「マネジメントレビュー」です。
  • 「点検=各部門、監査=組織全体」 という切り分けは非常に分かりやすい指標です。この視点を強調して説明されると、納得感が得られやすいでしょう。

運用のヒント

弊社のプライバシーマークサンプル文書集では、現場の負担を抑えた「安全管理策実施状況確認書」と、ポイントを絞った「内部監査チェックリスト」をセットで提供しています。

「点検でしっかり裏取りができている項目は、監査ではサンプリング確認に留める」といった運用ルールを定めることで、実務的な「簡易化」と「質の維持」を両立させることが可能です。

以下のページもご参考ください。

ISM Web store

執筆・監修: カスタマーサポート

ISMS、プライバシーマーク、ISO9001の取得・運用支援において、25年以上のコンサルティング実績を持つ専門チームが執筆しています。現場での指導経験と、数多くの審査対応ノウハウを凝縮して制作した文書・教育用テキストを販売しています。ご購入の有無にかかわらず、無料メールサポートにて専門家が直接お答えします。