大手メーカーからの購入でも、ISO9001の協力会社評価や台帳記入は必須ですか?
購買管理規定の「協力会社評価登録台帳」について質問です。
購入先が大手メーカから購入する時も台帳へ記入するのか、継続認証を行うのかと、対象組織から質問がありました。
このような場合、現実的ではないので大手は対象外としたいのですが、どのように記載すればよろしいでしょうか?
又は別な言い回しがあるでしょうか?
購買管理規定における「協力会社評価」の運用、特に大手メーカーの扱いについて回答申し上げます。
結論から申し上げますと、「大手だから一律に対象外とする」という運用は、ISO 9001の要求事項に照らすと不適合となるリスクが高いです。 しかし、「リスクに基づき、評価の手順や頻度を大幅に簡略化する」というアプローチであれば、現実的かつ審査上も極めて妥当な運用となります。
1. リスクに応じた「管理の方式」の定義
ISO 9001の要求事項に基づき、外部提供者の重要度や製品への影響度に応じて管理方法を使い分けます。
- 簡略化のロジック:
「JIS規格品や汎用品を製造する大手メーカーについては、その市場シェア、ISO取得状況、過去の品質実績により、アンケート等による個別評価を省略できる」旨を規定に盛り込みます。
規定には、「カタログ品やJIS規格品を製造する大手メーカーについては、その社会的信用、品質認証(ISO 9001等)の取得状況、過去の納入実績をもって評価に代えることができる」といった、「なぜ評価を簡略化できるのか」という基準を明記してください。
2. 現実的な運用のための代替案
大手メーカーを対象外にするのではなく、以下の方法で「評価済み」として扱う仕組みを構築してください。
例えば、「単純な購入」と「製品適合において重要な委託」のような場合では管理の方式や程度が異なるため、重要度や影響度に応じたそれぞれの管理方式や程度を決め、実施されることになります。
ただ単純に「大手だから不要」では無く、なぜ大手は評価や管理が不要だと考ええた理由(基準など)を、QMS文書(「協力会社評価登録台帳」も含む)として明記し、管理・記録する必要があります。
- 証跡の簡略化:
相手方のWebサイトから取得したISO認証証の写しや、製品カタログの保管をもって評価記録とする。 - 継続評価の自動化:
「過去1年間に重大な不具合や納期遅延がない場合、自動的に継続承認とする」といった基準を台帳に紐付ける。毎年の更新調査は行わず、「納入時の検収記録(不具合の有無)」をもって評価継続と見なす等。
大手の評価は不要と考えた理由を掘り下げて考えることが、評価基準などのヒントになるかもしれませんね。
3. 運用を向上させるアドバイス
昨今の品質不正問題を鑑みると、完全に目を離すことはリスクです。以下の視点で規定をブラッシュアップすることを推奨します。
- 管理の焦点を絞る:
メーカー本体の評価は簡略化し、代わりに「商社・代理店のサービス品質」や「情報の提供スピード」を評価対象に含めることで、実務に役立つ購買管理へと進化させることができます。
単に対象外とするのではなく、「リスクが低いから、この簡易的な方法で管理する」というロジックを文書化することが、審査をスムーズに通過し、かつ現場に負担をかけないQMS構築の鍵となります。
