ISMS, プライバシーマークおよび商品に関する質問と回答をご紹介

品質マニュアルの内外課題の項目はすべて必要ですか

更新日:2026/02/16 (公開日:2020/05/14)
※本記事は、ISM Web store が作成・検証したものです。

ISO9001サンプル文書の品質マニュアルに関して質問です。

「4.1組織及びその状況の理解」における内外の課題にa)からi)までありますが、これはすべて記入しないといけないのでしょうか?

結論から申し上げますと、当サンプル文書にて記載させているa)からi)は、一つの事例としてお考えください。

a)からi)まですべてを記入すべきかというより、ISO9001規格では組織の「品質マネジメントシステム」に関連する範囲で「課題」を明確にし、決定することが求められているだけなので、できるだけ重要なものが漏れないように網羅的に行うことがポイントになります。

ISO9001:2015の「4.1組織及びその状況の理解」では、意図した結果を達成するための「組織の能力」に影響を与える外部及び内部の課題の明確化が要求されているだけで、それが何とは要求されていません。

4.1 組織及びその状況の理解

組織は,組織の目的及び戦略的な方向性に関連し,かつ,その品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する組織の能力に影響を与える,外部及び内部の課題を明確にしなければならない。

組織は,これらの外部及び内部の課題に関する情報を監視し,レビューしなければならない。

※「JIS Q 9001:2015」より

「組織の能力」とは、製品及びサービス提供に関する知識を含む経営資源や、それらを管理し活用する能力を指し、これらに影響を与える課題を明確にすることが、有効な品質マネジメントシステムを構築する上で重要になるとされています。

優秀な人材の不足やベテラン社員の退職、設備の老朽化や容量・性能不足、原材料の入手困難や高騰、協力会社の移転や廃業、既存市場の縮小など、組織には様々な内外の課題があり、これらは顕在化しているものもあれば、今後生じる可能性のものもあるでしょう。

ちなみに、ISO9001の4.1に加え4.2では、品質マネジメントシステムの内容や目標などを設定する際の基本(前提)とされ、具体的な要求はなされていません。

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解

次の事項は,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供する組織の能力に影響又は潜在的影響を与えるため,組織は,これらを明確にしなければならない。

  • a) 品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者
  • b) 品質マネジメントシステムに密接に関連するそれらの利害関係者の要求事項

組織は,これらの利害関係者及びその関連する要求事項に関する情報を監視し,レビューしなければならない。

※「JIS Q 9001:2015」より

当サンプル文書では、どのような課題を抽出したら良いか分かりやすくするために「ISO/IEC専門業務用指針」の「附属書SL Appendix 2 – MSS作成者への手引」に記載された例(以下参照)を参考にしております。

ちなみに、ISO/IEC専門業務用指針とは、組織が複数のマネジメントシステムを導入することを考慮して開発された指針で、ISO9001もこれに基づいて改訂されました。

外部の課題

  • – 国際、国内、地域又は地方を問わず、文化、社会、環境、政治、法律、規制、財務、技術、経済、自然及び競争の要因。

内部の課題

  • – 組織のアイデンティティ(ビジョン、使命、価値観、文化を含む)、統治、構造、方針、資源、実現能力、人員、財務。

※「附属書SL Appendix 2 – MSS作成者への手引」より

他にも、「附属書SL Appendix 2 – MSS作成者への手引」では、「6.1 リスク及び機会への取組み」にて、「JIS Q 31000,リスクマネジメント - 指針」も参考にし得るとなっており、「ISO 31000(リスクマネジメント)」も参考にできます。

ISM Web store

執筆・監修:ISM Web store サポート

ISMS、プライバシーマーク、ISO9001に必要な文書及び社員教育用テキストの販売及び無料メールサポートにて、25年以上にわたり取得支援しています。当商品をご利用頂いていない方にも、無料にてメール対応させていただいております。