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文書と記録の切り分けで頭を悩ませております。

ISMSサンプル文書集
2011/06/14
ISMSサンプル文書集.  14,378 views

この記事は、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

文書と記録の切り分けで頭を悩ませております。「情報資産台帳」を例に挙げてご相談させて下さい。

昨年の維持審査にて「情報資産台帳は改定履歴を残すべき」との指摘を受け、弊社では現状「文書」扱いとしております。

しかし「文書管理規定」COM-B01-1.00を読んでおりますと、情報資産台帳は「記録」に分類される(従って、改定管理を行わない文書)となっています。

文書を、方針/マニュアル、規定書、手順書/フロー、記録類と分類するならば、情報資産台帳は「記録」に分類されることが理解できるのですが、改定に関してどのように対応すべきか悩んでおります。

アドバイスをお願い致します。

既にご存じかと思いますが、再度、「文書」と「記録」の定義に関して、まずご説明させていただきます。

記録とは、文書の状態を指しているものであり、方針、マニュアル、規定書、手順書、フローなども、すべて旧版となって使用しなくなった場合は、記録として保管(管理)することになります。

記録管理とは、改訂が行われなくなったものの管理ととらえて良いかと思います。

たとえば、申請書のようなものは、申請後、承認されるまでは、厳密にいうと「文書」として管理し、承認後は改訂されることはないので、記録として管理されます。

文書管理を行う際、その区分を明確にした状態で、管理することが効果的であるため、一般に、改訂を行わうことがない文書を「記録類」として、文書管理します。

「情報資産台帳」を記録類として取り扱うということは、承認後は、記録として管理し、新たな情報資産を追加する場合は、新たに「情報資産台帳」をつくるということを意味します。

もし、記録類として取り扱わない場合(内容の改訂が行われる)は、どこをどのように改訂したのかがわかるようにする必要(改訂履歴)があります。
規定書などと同じような管理が必要になるということです。

今回、ご質問いただいたケースに関しては、弊社がご支援させていただいているお客様では、御社と同様な指摘を審査員から受けたことがなく、また、今回、審査員がどのような観点から言われているのかは分かりませんが、一般的には、記録として取り扱われるケースが多いかと思います。

しかしながら、審査員と規格解釈論を交わしても現状では平行線となってしまいますので、現時点では審査員の解釈に従う方向で対応されてはいかがでしょうか。

規格の解釈に関しては、審査員により異なることが多々あります。

今後の更新審査等のことも踏まえ、自社でどのように解釈を確立するかが重要になるかと思います。