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外部メールやクラウド上のデータも、情報資産台帳への記載が必要ですか?

公開日:2019/09/04
ISMS全般.  2,039 views
※本記事は、ISM Web store が作成・検証したものです。

外部メールサービス(GmailやOCNメール)のメールデータや、クラウドサービスに保存されているデータ等に関してですが、情報資産としての価値はあるのですが、それ自体は適用範囲内には存在しません。
こういったデータは、台帳への記載が必要でしょうか。

もし必要な場合、例えば契約した外部レンタルサーバーにてweb公開のためアップロードしているWebサイトのデータ等も記載対象になるという理解で宜しいでしょうか。

ご質問ありがとうございます。結論から申し上げますと、ご質問にあるメールデータやWebサイトのデータは、原則としてすべて「情報資産台帳」への記載が必要です。

「データが社外(クラウド上)にあるから適用範囲外」という解釈は、ISMSの審査において最も指摘を受けやすい誤解の一つですので、以下の3つのポイントで整理して解説いたします。

1. 「適用範囲」の正しい考え方

ISMSの適用範囲とは、物理的な場所(オフィス内)だけを指すのではありません。組織が管理責任を持つ情報」がどこにあるかで判断します。

  • 外部サービスの利用は「外部委託」と同じ:
    JIS Q 27000の定義にある通り、サービスを提供している「外部組織(Googleやプロバイダ)」自体は貴社の適用範囲外ですが、そこで「処理・保存される貴社のデータ」は適用範囲内に含まれます。
  • 管理責任の所在:
    Gmailやクラウドストレージ上のデータに対して、「誰がアクセスできるか」「いつ削除するか」を決定する権限が貴社にある以上、それらは貴社の管理下にある情報資産となります。

2. なぜ台帳への記載が必要なのか

台帳に記載する目的は、単なるリストアップではなく、そのデータにどのようなリスクがあるか」を把握することにあります。

  • クラウド特有のリスク:
    「サービス停止による業務中断(可用性の喪失)」や「アカウント乗っ取りによる情報漏洩(機密性の喪失)」などのリスクを評価し、二要素認証の導入やバックアップ対策を検討するために、台帳への登録が不可欠です。
  • 外部レンタルサーバのデータ:
    ご認識の通り、Webサイトのデータも対象です。例え公開情報であっても、改ざん(完全性の喪失)されれば企業の信頼を損なうため、資産として評価し、適切な対策を講じる必要があります。

3. 実務的な「台帳記載」のヒント

「すべてのメールを1通ずつ記載する」といった膨大な作業は必要ありません。実務では以下のように「グルーピング」して記載するのが一般的です。

  • 記載例1: 「クラウドメール上の送受信データ一式(Gmail)」
  • 記載例2: 「Webサイト公開用コンテンツデータ(〇〇レンタルサーバ)」
  • 記載例3: 「クラウドストレージ保存の業務関連ファイル(Google ドライブ等)」

このようにサービス単位や用途単位で資産を定義することで、管理の漏れを防ぎつつ、運用負荷を抑えることができます。

まとめ

「社外にあるから範囲外」ではなく、「自社の業務で使っている大切なデータは、どこにあっても守る対象(適用範囲内)」と考えるのがISMSの本質です。

弊社の「ISMSサンプル文書集」では、こうしたクラウド資産を想定したリスク評価のテンプレートや、外部委託先の管理規程も収録しております。最新の規格に準拠した効率的な管理体制の構築に、ぜひお役立てください。

以下、ご参考まで。

3.51 外部委託する

  • 注記 外部委託した機能又はプロセスは,マネジメントシステムの適用範囲内にあるが,外部の組織は,マネジメントシステム(3.41)の適用範囲の外にある。

※「JIS Q 27000:2019」より

ISM Web store

執筆・監修: カスタマーサポート

ISMS、プライバシーマーク、ISO9001の取得・運用支援において、25年以上のコンサルティング実績を持つ専門チームが執筆しています。現場での指導経験と、数多くの審査対応ノウハウを凝縮して制作した文書・教育用テキストを販売しています。ご購入の有無にかかわらず、無料メールサポートにて専門家が直接お答えします。