ある人が組織表に記載した業務以外の業務を行っていた場合は、指摘となるのでしょうか?
50人程度の製造業で、現在、ISO9001認証取得に向けて準備中です。
各部門にて組織表を作成し、個人毎に主な担当業務を記載しています。
この場合、たとえば審査で現場確認が行われた際に、ある人が組織表に記載した業務以外の業務を行っていた場合は、指摘となるのでしょうか?もちろん、記載外の業務であってもその業務を行うためのスキルは持っていることが前提です。
ISO9001では、組織表を作成し個人毎の担当業務を明記することは要求されていませんが、自主的に作った決まり事(この場合、個人毎の担当業務)でも、決めたことに反する場合は指摘されてしまうのでは?と、社内で指摘があり、明確な返答ができず困っています。よろしくお願いいたします。
「自主的に作った決まり事でも、決めたことに反する場合は指摘されてしまうのでは?」という点ですが、ご指摘の通りです。
ご理解かとは思いますが、ISO9001規格要求事項のほとんどが枠組みに関するもので、自社での決めごとが多く踏まれています。
内部監査でも、外部審査でも同じですが、「ISO9001規格要求事項」に沿った決めごとをしているか?(規格要求事項への適合)、それはどのような活動か?(自社での決めごと)が指摘のポイントとなります。
今回のご質問の場合であれば、「記載外の業務であってもその業務を行うためのスキルを持っている」ため、実際の品質には問題はないかと思います。
しかし、審査のポイントは、「記載外の業務」がどの程度品質に影響を及ぼすものなのか?、それが例えば特殊な技能などが必要な場合、「スキルも持っている人」かどうかをどのように判断しているのか?、その業務を行う許可を誰がしたのか?、またそのような手順があるのか?等ということになります。
対処方法としては、色々と考えられるかと思います。
・組織表に追記する(役割と権限を与える)
・業務計画書などで作業員を明記する(その業務の作業員を特定し、作業の許可を与える)
・教育訓練で力量の証拠をとる(技能や経験などを根拠する)
などなど
指摘事項としては、業務以外の業務を行っていても品質に影響がないことを説明できれば、「実態に合わせたルールに直してください」といった軽微なものになるかと思います。
ただ、審査員によって異なりますので、絶対とは言えません。重大な指摘とされる場合もあるかもしれませんので、ご注意ください。