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ISMS規程の「暗号化」「デジタル署名」「否認防止」は、それぞれどう解釈すべきですか?

更新日:2026/04/09 (公開日:2015/03/06)
ISMSサンプル文書集.  3,752 views
※本記事は、ISM Web store が作成・検証したものです。

ISMSサンプル文書集、「ISMS-B13 システムの開発および保守管理規程」の「3.1 暗号による管理策の利用方針(A.10.1.1)」にある、(1)、(2)それぞれの文章と【暗号化】【デジタル署名】【否認防止】のそれぞれの読み方を教えてください。

たとえば【暗号化】の
「リスクアセスメントの結果、暗号化を行う必要がないため、適用外とする。」
という文章を活かした場合でも(1)の文章はそのまま残すものでしょうか?

「暗号による管理策の利用方針」における規定の読み解き方と、各用語の定義について解説いたします。

なお、ご質問の「ISMS-B13 システムの開発および保守管理規程」の「3.1 暗号による管理策の利用方針(A.10.1.1)」は、ISO 27001:2023への対応の際、「B11 通信・運用管理規程」の4へ移動しております。

1. 規定の構造:方針(1・2)と具体的手段(【 】)

本規定は、「判断基準(方針)」と「実施内容(具体的手段)」の2段構えになっています。

  • (1)・(2)の文章:
    「どのような場合に暗号化を検討すべきか」という組織の判断基準です。リスクアセスメントの結果に関わらず、組織のルールとして残しておくべき項目です。
  • 【 】書きの文章:
    特定の技術(暗号化、署名等)を実際に採用するかどうかの実施ステータスです。

結論として、【暗号化】を「適用外」とした場合でも、(1)や(2)は「将来的な判断基準」としてそのまま残しておくことを推奨します。

理由は、(1)・(2)が「もし将来的にAランクの資産を扱うことになった場合、あるいは新たな脅威が見つかった場合に、暗号化を検討する」という運用の根拠となるためです。これらを削除してしまうと、組織として「いつ暗号化が必要か」を判断する物差しがなくなってしまいます。

なお、こちらの管理策は、「8.24 暗号の利用」に該当しております。

2. 用語の定義と役割

【暗号化】【デジタル署名】【否認防止】のそれぞれの技術は、いずれも「暗号技術」を応用した対策ですが、守るべき目的が異なります。

項目目的役割
【暗号化】機密性の保護データを読めない状態にし、盗聴や漏えいを防ぐ。
【デジタル署名】完全性・真正性送信者の本人確認と、データが改ざんされていないことを証明する。
【否認防止】責任追跡性取引や通信の事実を後から否定できないように証拠を残す。

技術的なつながりとして、(1)・(2)で「広義の暗号化」について触れているのは、デジタル署名や否認防止も内部的には「暗号技術(公開鍵暗号など)」を利用しているためです。

  • デジタル署名:
    内容をハッシュ化し、秘密鍵で「暗号化」することで実現します。
  • 否認防止:
    デジタル署名やタイムスタンプ、証明書を組み合わせることで、「その事象が確かに起きたこと」を証明します。

3. 審査対応のポイント

ISMSの審査においては、「なぜその対策をやっているのか(あるいはやっていないのか)」の根拠が問われます。
(1)・(2)を残しておくことで、「現状はリスクが低いため【 】内の各手段は適用外としているが、Aランク資産が発生した際には(1)に従って検討する体制にある」と説明でき、適切な管理サイクル(PDCA)が回っていることを証明できます。

もし現在、貴社でデジタル署名や否認防止サービスを一切利用していない場合は、サンプルにある通り「リスクアセスメントの結果、該当する電子文書の交換がないため適用外とする」と記載し、(1)・(2)の方針によって「必要な時が来たら検討する」というガバナンスを維持しておくのが最もスマートな構成です。

ISM Web store

執筆・監修: カスタマーサポート

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