社員が登場する動画や写真の公開に、本人からの承諾書は必要ですか?判断基準は?
個人情報の取り扱いについておたづねします。
(1) 会社のプロモーションビデオに登場する社員(名前有りのも、姿だけのも有り)
(2) 会社案内(紙)に登場する社員(名前なし)
(3) 会社のイベント(入社式、忘年会など)の写真の社員(名前なし)
(4) 就活サイトの会社情報などで登場する先輩社員(名前有り)
上記などは、個人情報として、目的外利用しないなどの承諾書などを本人からとるべきでしょうか?
個人情報保護法?プライバシーマーク的?
以前は、入社式風景など、ビデオ、写真とっていましたが今年から面倒なので撮らなくなってしまいました・・・
社内イベントや広報活動における社員の個人情報の取り扱いについて回答申し上げます。
結論から申し上げますと、ご提示いただいた(1)~(4)のケースはすべて「個人情報」に該当し、原則として本人からの同意取得が必要です。
面倒に感じられるかもしれませんが、運用の工夫次第で手間を最小限に抑えつつ、貴社の魅力を発信し続けることは可能です。以下のポイントで整理・検討されることを推奨いたします。
1. 根拠となる法令・規格(JIS Q 15001:2023対応)
氏名の有無にかかわらず、特定の個人が識別できる映像・写真は個人情報として保護の対象となります。(法第2条)
具体的には、以下のようなものがあります。
- 本人の氏名
- 生年月日、連絡先(住所・居所・電話番号・メールアドレス)、会社における職位又は所属に関する情報について、それらと本人の氏名を組み合わせた情報
- 防犯カメラに記録された情報等本人が判別できる映像情報
- 本人の氏名が含まれる等の理由により、特定の個人を識別できる音声録音情報
- 特定の個人を識別できるメールアドレス
- 個人情報を取得後に当該情報に付加された個人に関する情報
- 官報、電話帳、職員録、法定開示書類、新聞、ホームページ、SNS等で公にされている特定の個人を識別できる情報
また、それらの取得及び利用にあたっては、以下のようなルールが設けられています。
- 個人情報保護法(第21条等):
取得に際して利用目的を通知または公表する義務があります。 - JIS Q 15001(A.7):
本人から書面に記載された個人情報を直接取得する場合には、利用目的等を明示した上での同意(署名等)が求められます。
2. 運用の手間を減らすために
撮影の都度、同意書を交わす負担を軽減するため、以下の運用を検討してみてください。
- 入社時の包括同意:
入社時の同意書に「社内行事や広報媒体への掲載」を項目として追加し、あらかじめ同意を得ておくのが最も効率的です。 - 周知による代替:
全社員が閲覧できる場所に「撮影と利用目的」を掲示し、不同意の申し出を受け付ける窓口を設ける方法もあります(※露出度が高い広報物は個別同意を推奨)。 - 特定の広報用の場合などは個別同意:
ビデオ出演や就活サイトのインタビューなど、露出度が高いものについては、トラブル防止のため個別に書面で同意を得るのが適切です(※ご質問の(1), (4)など)。
3. 弊社サンプル文書の活用について
構築パッケージに含まれる「同意書(見本 社員:人事労務管理)」をご活用ください。利用目的に広報利用(ビデオ、会社案内、Webサイト等)の文言を追記するだけで、規程に沿った運用が可能です。
4. まとめ
「以前は、入社式風景など、ビデオ、写真とっていましたが今年から面倒なので撮らなくなってしまいました・・・」ということですが。確かに面倒ですね。
しかし「面倒だから撮らなくなった」というのは、会社としての魅力発信の機会を失っていることになり、非常にもったいないと感じます。
セキュリティのルールは「活動を制限するため」にあるのではなく、「安心して活動するため」のものです。一度ルール(一括同意の仕組み等)を作ってしまえば、あとは自信を持って温かみのある社内風景をアピールできるようになります。ぜひ、魅力ある会社情報を社内外へ発信し続けてください。そのための仕組み作りに、当店のサンプル文書集をお役立てください。
