社内行事等での写真撮影における個人情報としての取り扱いに関して
社内行事等で写真撮影をすることがありますが、この場合の個人情報としての取り扱い等に関してお教え願えないでしょうか?
結論から申し上げますと、「特定の個人が識別できる写真」は個人情報に該当するため、適切な利用目的の提示と本人の同意(黙示の同意を含む)が必要となります。
特定の個人を識別することが可能であれば映像、画像、音声等も個人情報となります。自社で撮影・保管・利用する場合は、以下のルールを遵守する必要があります。
1. 撮影・利用における基本的考え方
写真を自社で保有・利用する場合、以下のプロセスを確実に踏むことが求められます。
- 利用目的の特定:
「社内報、公式ホームページ、採用活動への利用」など、用途を具体的に決めること。 - 本人への通知・公表:
行事の案内状や会場内掲示などで、上記目的を本人に知らせること。
厳密に法に沿って扱うならば、個人情報の取得時に利用目的を明示・通知・公表し、その上で写真を撮る必要があります。以後の写真利用は利用目的の範囲でのみ利用しなければなりませんので、社報やホームページなどに掲載する場合は、上記の利用目的に「弊社発行の社報や弊社HPへの掲載等で使用する」としておけばよいかと思います。
なお、法には未成年の規定がないのですが、厚労省「医療・介護のガイドライン」等では、児童や判断力に疑義がある成年者の場合は、保護者等の同意(実際は明示・通知・公表)が必要と記されていますから、これに従った運用をして下さい。
2. Pマーク審査における留意点
法とPマーク規格では、求められる「丁寧さ」の度合いが少し異なりますが、基本的な考え方は共通しています。
JIS Q 15001では、本人から直接書面で取得する場合に「同意の署名」を求めますが、「写真撮影」は通常、書面による取得(本人に書いてもらう行為)には該当しないと解釈されます。
JIS Q 15001の要求事項について、実務的な解釈は以下の通りです。
- 書面同意の要否:
写真撮影自体は「直接書面による取得」には当たらないため、原則として全員からの署名(同意書)取得までは不要です。 - 「拒否権」の担保:
撮影されたくない従業員がその意思を示せるよう、事前の周知や当日のアナウンスで配慮することが重要視されます。
ただし、審査員によっては「HPへの掲載は影響が大きいため、明示的な同意があることが望ましい」と指摘する場合もあります。ご注意ください。
3. 実務で推奨される運用フロー
社内での解釈を収束させるため、以下の手順での運用を推奨いたします。
| 項目 | 具体的な対応策 |
|---|---|
| 事前の周知 | 社内報や掲示板などで「行事の写真は広報目的で使用する場合がある」とあらかじめ規定しておく。 |
| 撮影時の配慮 | 撮影を拒否したい人のために「撮影不可エリア」を設ける、または「撮影NGの人はお申し出ください」とアナウンスする。 |
| 外部掲載時 | HPやSNSなど、不特定多数が閲覧する場所へ掲載する場合は、写っている本人(または代表者)に改めて掲載の可否を確認する。 |
| 未成年者 | インターンシップや家族同伴イベントの場合、16歳未満(または18歳未満)は保護者の同意をセットで得るようにする。 |
4. 委託先(カメラマン)への対応
外部委託する場合でも、貴社が写真を利用・管理する主体である限り、委託先との機密保持契約および「委託先の監督」としての管理が必要となります。丸投げにならないようご注意ください。
まずは「社内報への掲載」など、よくあるケースを想定した利用目的の文案をマニュアルや周知文書に組み込んでおくのが最も効率的です。
