インターネットやパソコン、スマートフォンといったデバイスの普及により、ビジネスシーンにおけるITの利活用は、企業の収益性向上や競争力維持に不可欠なものとなっています。
しかし、保有する個人情報や重要な技術情報等の情報資産を狙うサイバー攻撃や不正アクセスは年々巧妙化しており、被害のリスクも高まっています。これらの脅威から組織を守るため、各政府機関やセキュリティ専門団体は、さまざまな教育教材や手引書をインターネット上に「無料」で公開しています。
組織内の情報セキュリティ教育や対策体制の構築に、ぜひご活用いただきたい主要な参考資料・ツールをカテゴリ別にまとめました。
1. 普及啓発
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が、サイバーセキュリティに関する普及啓発活動の一環として作成したハンドブックです。身近なテーマからサイバーセキュリティに関する基本的な知識までを分かりやすく紹介しており、組織全体での基礎学習に最適です。
2. 学習教材
Googleが公開している、ストーリー形式のセキュリティ教材。初めてスマートフォンを持った主人公と一緒に、より安全なパスワードの設定方法や、SNSでのプライバシー保護について、マンガで楽しく学べる初心者向けの内容です。
JPCERTコーディネーションセンターが、過去に「Internet Magazine」誌へ掲載された記事の原稿を転載した資料です。セキュリティの根幹に関わる技術的な背景や考え方を深く知るための読み物として活用できます。
経済産業省の「営業秘密~営業秘密を守り活用する~」のページです。不正競争防止法で保護される営業秘密の3要件(有用性・秘密管理性・非公知性)や、漏えい対策用の各種指針・契約書参考例、相談窓口などが紹介されています。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が提供する、開発者向けの学習ツール。Webアプリケーションなどの脆弱性の発見方法や対策について、演習問題を通じて実習形式(対話型)で体系的に学ぶことができます。社内エンジニア教育に最適です。
3. 研修向け資料
JPCERT/CCが組織の教育担当者向けに作成した、研修のベースとなるガイドライン。クイズ形式で学べる内容も収録されており、入社時教育のカリキュラム作成の省力化に役立ちます。
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が、プライバシーマーク(PMS)運用向けに公開している社内教育資料。PowerPoint形式のひな形は自社のルールに合わせて編集可能で、実務に即した個人情報保護教育が実施できます。
個人情報保護委員会が提供する、事業者や行政機関等向けの研修資料の一覧ページです。個人情報保護法に関する従業者・法務向けの解説動画や、中小企業向けのお役立ちツール、マイナンバー法のガイドライン、不正アクセス等に対する注意情報(WARNING)などがまとめられています。
4. 対策・手引書
家庭や企業における様々なセキュリティ脅威とその対策を、テーマ別に分かりやすくまとめた小冊子シリーズです。最新のウイルス対策や不正アクセスへの構えを手軽に把握できます。
総務省が、テレワークやオフィス等で安全にWi-Fi(無線LAN)を利用するために、最低限必要な対策をまとめた手引書です。「3つの約束」をはじめ、従業員が私生活および業務で遵守すべきネットワークセキュリティの基本がまとめられています。
国内外のSNS起因の脅威と対策の現状を調査し、法人が取るべき管理体制やルール策定について考察したレポートです。従業員によるSNSの不適切利用や、アカウント乗っ取りを防ぐガバナンス構築に役立ちます。
予測不可能なデータを入力してソフトウェアのバグや脆弱性を検知する「ファジング」テストの導入手引書。自社でソフトウェアやWebシステムを開発する開発サイクルのセキュリティ品質向上に繋がります。
特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が公開する、SNSのプライバシー課題と対策の報告書。なりすましやアカウント乗っ取り、不適切発言の具体的事例をベースに解説されています。
ビジネスメール詐欺(BEC)や標的型攻撃の入り口となりやすい電子メールについて、利用者が自分の身を守るための最低限必要なセキュリティ設定を主要ソフト別に解説した文書です。
企業がマイナンバーを取り扱う際のリスクと対策を検討するための分析シート。業務フローに応じた懸念点と具体的な安全管理措置の例が示されており、特定個人情報保護評価(PIA)や組織のルール作りに直結します。
5. セルフ診断ツール
特に中小企業に向けて実施が推奨されている、無料の情報セキュリティ診断ツール。25の設問に回答するだけで、自社のセキュリティ状況や、他社・同業他社との比較結果を可視化できます。
自社の情報セキュリティ対策の状況をシステム上で回答し、他社のデータと比較して客観的な強み・弱みを分析できるベンチマークテストです。ISMS(ISO 27001)などの見直しフェーズでも有効です。
JPCERT/CCとIPAが共同運営する「JVN」が公開しているフレームワーク。利用者のPC内にインストールされているソフトウェア製品が最新の状態か(脆弱性が放置されていないか)を手軽に確認・収集できる仕組みを提供しています。
※上記以外にも、「セキュリティ資料検索(IPA)」から、政府や公的機関が公開している最新の多様なセキュリティ解説資料を検索・ダウンロードすることが可能です。