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情報漏えいリスクとBCP対策|RTO・RPOの考え方と実務の準備

更新日:2026/03/29 (公開日:2009/07/13)
※本記事は、ISM Web store が作成・検証したものです。

万が一、情報漏えいなどの事件・事故が発生した場合、その影響は単なるデータの紛失にとどまりません。顧客からの信頼喪失、多額の損害賠償、社会的なブランドイメージの低下、そして事後対策に要する膨大な工数と費用などにより、企業は存続を揺るがす深刻な危機に直面しかねません。

本記事では、情報漏えいが発生した際に企業が受ける多大なダメージを可視化し、そこからいかに事業を継続・回復させるべきかというBCP(事業継続計画)の核心的なポイントを解説します。

この記事で解決できること

  • 情報漏えいが発生した際の「本当の損失(真のコスト)」を可視化できる
  • 事業継続の鍵を握る「RTO」と「RPO」の正しい概念がわかる
  • 有事の際の生存率を分ける「復旧スピード」の重要性が納得できる
  • 実務担当者が「今すぐやるべき緊急時対応」の準備ポイントが明確になる

目次

1. 情報漏えいが企業に与える「真のコスト」

事件・事故が発生すると、顧客への多大な迷惑が生じるだけでなく、流出した情報の完全な回収はほぼ不可能となり、その被害は長期にわたって組織をむしばんでいきます。

企業が直面するのは、目に見える賠償金だけではありません。以下のような「見えないコスト」が経営を圧迫します。

  • 対応工数の増大:
    本来の業務を停止し、全社員が事後処理に追われる機会損失。
  • 社会的信頼の毀損:
    一度のミスによるブランドイメージの低下と、その回復にかかる長期的な努力。
  • 再発防止への投資:
    抜本的なシステム改修やルール策定に要する膨大な予算。

2. 生存率を分ける「リカバリー時間(RTO)」の重要性

事業の継続性を確保し、損害を最小にするためには、有事の際の「復旧スピード」が極めて重要です。

有名な米国9.11事件の事例では、1週間以内に事業を回復できた企業の存続率は90%を超えていたのに対し、1ヶ月以上を要した企業では50%まで低下しました。この統計は、どれだけ早く「最低限の業務」に戻れるかが、企業存続の鍵であることを物語っています。

BCPにおけるRTO(目標復旧時間)とRPO(目標復旧時点)の概念図

3. 担当者が今すぐやるべき「緊急時対応」の準備(RPO・RTOの定義)

事件・事故が発生した場合、まず企業として目指すべきは、存続に必要な最低限の業務レベルを確保することです。直ちにこの第一目標までレベルを引き上げ、これ以下に低下させない対策を実施することが重要となります。この時点での対策が遅れるほど、企業存続は難しくなってきます。

万が一の有事の際、企業が存続するために最も重要なことは「最低限の事業レベル」をいかに早く、どの時点まで戻すかという判断です。そのための指標となるのがRPORTOです。

  • RPO(目標復旧時点:Recovery Point Objective):
    過去のどの時点のデータまで戻すか(どこまでのデータ喪失を許容するか)
  • RTO(目標復旧時間:Recovery Time Objective):
    発生から、どの程度の時間で事業を復旧させるか

有事の際、この「どこまで戻し、いつまでに復旧させるか」という基準が未策定だと、経営層の判断は遅れ、結果として被害は拡大します。以下のポイントを平常時から確認・文書化しておきましょう。

  • 復旧目標の合意:
    経営層と「自社が許容できるデータ喪失量(RPO)」と「復旧までのリミット(RTO)」を合意しておく。
  • 判断基準の明確化:
    事故発生時、誰が・どのような基準で「第一報」を入れ、どのような手順で復旧活動を開始するかのフロー策定。
  • 連絡網とルールの周知:
    経営層・委員会・関係機関への迅速な報告体制の構築。
  • シャドーITの排除:
    私物デバイスや許可されていないクラウド利用による「データ管理外の漏えい」を防ぐためのルール化。

4. 情報漏えい対策に関する実務担当者様からのよくあるご質問

Q. 個人情報漏えい等の通報後、委員会やJIPDECへ第一報を入れる基準は何ですか?
A. 発生した事案が個人情報保護委員会やプライバシーマーク付与機関(JIPDEC)への報告対象となるか否かの判断は、各ガイドラインに基づいた迅速な精査が必要です。
→ 個人情報漏えい等の通報の基準についてはこちら
Q. 私物デバイスやクラウドサービス利用による情報漏えいリスクをどう管理すべきでしょうか?
A. 社員の利便性とセキュリティを両立させるためには、許可されていないIT資産(シャドーIT)を可視化し、ルール化することが不可欠です。
→ 私物デバイスやクラウドサービス利用による情報漏えいリスクについてはこちら

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執筆・監修:ISM Web store カスタマーサポート

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