プライバシーマークに関連する法令等の一覧
プライバシーマーク制度においては、組織の外部・内部の状況を適切に把握するために、JIS Q 15001:2023の「4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解」にて、利害関係者の要求事項を特定することが求められています。この利害関係者の要求事項には、法令や官公庁等のガイドライン、契約上の義務などが含まれます。
また、JIPDECの「プライバシーマークにおけるPMS構築・運用指針」や、準拠規格であるJIS Q 15001:2023の「4.1 a) 法令、国が定める指針その他の規範」などにおいても、自社の事業に関連する個人情報の取扱いに関する法令、国が定める指針その他の規範を特定し、参照できる手順を確立・維持することが明確に要求されています。これらはPMSの内部規程(文書)として定め、適切に運用・維持しなければなりません。
プライバシーマーク制度において関連する主な法令等については、JIPDECの公式サイト内「関連法令等|PMS関連情報|一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)」でも一覧として紹介されています。(下図)
本記事では、これらを踏まえPMS構築・運用において必ず押さえておくべき関連法規を以下に紹介いたします。法規登録簿の作成や見直しの際にご参考ください。
※上図は「関連法令等|PMS関連情報|一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)」サイト
個人情報保護に関する基本法令
まず、プライバシーマーク(PMS)運用において中核となる最重要の法令は以下の2つです。
個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)
個人情報の適正な取扱いについて定めた法律です。事業者としての遵守すべき義務や個人の権利利益の保護について規定されており、Pマークを取得・維持するすべての事業者にとって対応が必須となる基本法です。
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)
社会保障・税番号(マイナンバー)および特定個人情報の取扱いを厳格に管理するための法律です。個人情報保護法よりもさらに厳しい安全管理措置が求められるため、PMS内でも明確に区別して管理手順を確立する必要があります。
情報セキュリティ・ITビジネスに関連する重要法令
個人情報保護だけでなく、広く情報セキュリティやITに関わる事業者として押さえておくべき主要な関連法令です。
電気通信事業法
電気通信の健全な発達と利便性向上を目的とした法律です。第4条において「通信の秘密」の保護が義務付けられており、ネットワークを通じたサービスを提供する事業者やWebサイトを運営する事業者にとって重要な規範となります。また、近年の法改正(外部送信規律:Cookie規制など)に伴い、Webサイト運営事業者への影響も大きくなっています。
著作権法
業務で利用するソフトウェア、画像、文章などの著作権を守り、不正利用を防ぐための法律です。自社サイトのコンテンツ制作や外部システム導入時のライセンス管理などに関わります。
不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)
他人のID・パスワードを不正に取得・保管する行為や、システムに脆弱性を突いて侵入する行為などを禁止する法律です。情報漏えい事故を防ぐためのセキュリティ対策を講じる根拠となります。
刑法
サイバー犯罪やデータ破壊、業務妨害に該当する行為に対して刑罰を定める法律です。PMSの文脈では、以下のような条文がセキュリティインシデントや内部不正の抑止に関連します。
- 第161条の2(電磁的記録不正作出及び供用)
- 第168条の2(不正指令電磁的記録作成等 ※マルウェア作成・提供など)
- 第230条(名誉毀損)
- 第234条の2(電子計算機損壊等業務妨害)
- 第246条(詐欺)など
国が定める指針・各種ガイドライン
JIS Q 15001の要求事項は「法令」だけでなく、「国が定める指針その他の規範」の特定も特定も求めています。したがって、法律そのものに加えて、管轄省庁が発行する具体的な「ガイドライン」の特定・順守も欠かせません。
すべての事業者に共通して関連する、代表的なガイドラインや留意事項は以下の通りです。
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)
本書は、事業者が個人情報の適正な取扱いの確保に関して行う活動を支援すること、及び当該支援により事業者が講ずる措置が適切かつ有効に実施されることを目的として、個人情報保護法に基づき具体的な指針として定めるものです。
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(外国にある第三者への提供編)
法が定める事業者の義務のうち外国にある第三者への個人データの提供に関する部分に特化して分かりやすく一体的に示す観点から、通則ガイドラインとは別に、本ガイドラインを定めるものです。
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(第三者提供時の確認・記録義務編)
法が定める事業者の義務のうち第三者提供における確認・記録義務に関する部分に特化して分かりやすく一体的に示す観点から、通則ガイドラインとは別に、本ガイドラインを定めるものです。
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(仮名加工情報・匿名加工情報編)
法が定める事業者の義務のうち、仮名加工情報及び匿名加工情報の取扱いに関する部分に特化して分かりやすく一体的に示す観点から、通則ガイドラインとは別に、本ガイドラインを定めるものです。
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(認定個人情報保護団体編)
認定個人情報保護団体制度に関する部分に特化して分かりやすく一体的に示す観点から、通則ガイドラインとは別に、本ガイドラインを定めるものです。
また、従業員を雇用しているすべての組織において、人事・労務管理分野での個人情報の取扱いは必須となります。以下の厚生労働省による留意事項も、必ず法規等の一覧に含めてチェックしておきましょう。
雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項(厚生労働省)
本留意事項は、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」に定める措置の実施にあたり、雇用管理分野における労働安全衛生法等に基づき実施した健康診断の結果などの健康情報について、事業者が適切に取り扱うための留意事項を定めるものです。
このほかにも、ECサイト運営、医療、金融、人材紹介など、自社が営む具体的な事業ドメインや業界団体特有のガイドラインが存在します。自社の状況(利害関係者のニーズ)に合わせて必要な規範を洗い出し、常に最新版を参照できるよう手順を維持していきましょう。

